君の名は。

無職の日記

大人

闇から生まれ、いずれ闇へと還るのが命。

命が宿っているというのは異常な状態だが、でも生きることには何の価値もなくて、だから生に価値を見出そうとするのは無謀というか死の恐怖に対する気休めにしかならない。

 

俺たちは死ねば無に戻るわけだが、だから生きてる今のうちにできることはやっとこうと思うのは、愚か者の中でもさらに頭の悪い部類。無になるのだから、集めたものは何一つ持ち帰ることはできない。

 

生きることというのは、触れたものに対して感想を抱くだけのこと。暑い日は「あついなー」だし、飯食ったら「うめー」もしくは「まずい」、怪我をしたら「いてー」。

 

この体験、つまり生の喜びというのは、子供のうちに全種類コンプリート出来てしまうのだ。だから大人の人生は何か物足りなさがある。それ以後にやることとなると、他の人類と交流することと、「どこまで行けるかな」と言って知らない場所へとことこと歩いていくことくらいだが、これによって生の喜びを思い出すことはあっても、新たに感じることはない。

 

大人になるのは、もう死んだも同然だと思う。「生きる喜びを味わう」ために生きることは二度とないだろう。

もっと確実な言い方をすると、幼少期に勝る喜びが再び訪れることは、もうない。

大人になってからすることは、子供の頃に自分が体験したことが一体どんなことなのか、あの時自分の身に何が起こったのかを客観的視点から調べること、ただそれだけ。

 

だから、生きる意味を追い求める必要は、もうないんだ。

まあ、別に惜しくはない。あの頃を懐かしみ焦がれるのはむしろ野暮で、それは自分が生きたことを否定することになるからかもしれない。

 

タイムリープの能力を手にした少女がおかした過ちだ。