君の名は。

無職の日記

星新一

この前久々に星新一を読んだらすごい面白くて、あまり読書をしない俺にしては読みふけった。

 

とくに「ようこそ地球さん」というショートショート集のラストを飾る「殉教」がサイコーだった。

 

あらすじを説明すると、大勢の人が死ぬ話。

でも、科学の犯した過ちで人類が滅ぶとかの、暗い話ではない。

一人一人が、死ぬことに希望を抱いて、自ら望んで死ぬ話なのだ。

 

どういうことかというと、とある研究者が、あの世に旅立った人、つまり死者と会話できる機械を作った。そしてあの世の人々はみな口をそろえて「ここは本当に素晴らしい場所だ。必死こいて生きていたのがバカバカしい」と言った。

 

5年前に死んだ妻と通信して自殺した研究者本人を筆頭に、人々は自分の信頼できる人(死んだ親類、親友など)と通信し、霊界がどれだけ素敵な場所かを聞き、それを信じて自殺する。

やがて安楽死の薬が配られたりして、機械は大ブームとなり世界中を移動する。そして次々と街から人を消していく。こういう話。

 

この本は数年前に買ったやつだが、最後まで読まなかったらしい。この話はつい先日初めて読んだ。ケタケタ笑いながら読んでいた。小説を読んで声に出して笑うことはあんまりない。

 

俺は辛いことを我慢してれば幸せになれると信じてるやつが好きじゃないので、そういう連中が「死ねば幸せになれる!」って次々死んでいくのは最高だった。おすすめです、星新一

 

あと、この話はもう少し続きがある。生き残っている人間がわずかにいたのだ。死んだ身内と通信しても死を選ばなかった者や、機械の存在を知りながらも触れてみようと思わなかった者。その人たちが、山脈のように続く死体の群れを、ブルドーザーで片づけていく。